
アルペンスキーの全ての競技は、2月24日(土)までに終了。
そこで、アルペンスキー競技の各種目のメダリストが、本番で履いていたスキー板のメーカーを調べて、一覧にまとめてみました

(ただし、インターネット放送のビデオ映像を見ながら、目視で確認しているので、ひょっとしたら間違っている所があるかもしれません

(フリースタイル競技はこちら → 五輪モーグル選手の乗る板は?(男子)、五輪モーグル選手の乗る板は?(女子))

アルペンスキー競技の種目は、男子・女子それぞれで、「滑降」「回転」「大回転」「スーパー大回転」「アルペン複合」の、計5種目があります。これらの金銀銅メダリストは、全部で5種目×男女×3メダル=30人となります。
また、今回のオリンピックから、新種目の「混合団体」が加わりました。ワールドカップの国別順位上位16チームが出場します。2チーム(2か国)毎の対戦形式で、勝ち残りで次戦へと進出する、トーナメント方式でメダルを争います。
アルペン混合団体の競技ルールは、今大会の正式種目になるまでに、色々な大会で、都度ルールが変わって試行錯誤を繰り返してきたようです。
平昌オリンピックで採用された混合団体のルールは、各チームの男女2人ずつ計4人が、並行するコースを1対1で滑って対戦します。
各チームの選手の滑走順は、事前に登録してある6人までの選手の中から、レース開始の5分前(?)までに申請を済ませなければなりません。ただし、男女の滑走順は、[ 女子 → 男子 → 女子 → 男子 ]の順番と決まっています。相手チームの誰に、誰を対戦させるのかの、駆け引きとなります。
滑走コースは、選手側から見て右が青コース、左が赤コース(観客側からだと、左が青コース、右が赤コース)。滑走順に、第2滑走と第4滑走時に、左右が入れ替わります。
つまり、AチームとBチームが対戦する場合、以下の様な滑走順となります。
青コース 赤コース
第1滑走 A・女子 B・女子
第2滑走 B・男子 A・男子
第3滑走 B・女子 A・女子
第4滑走 A・男子 B・男子
勝敗の決し方は、各ラウンドごとに勝ったチームが1ポイントを獲得し(同着の場合は両チームが1ポイントを獲得)、4人の合計ポイントで勝敗が決まります。なお、4人が滑走して同点の場合は、各チーム男女それぞれ速い方のタイムの合計で、速いチーム(タイムが少ない方)が勝ちとなります。
したがって、ここでは、混合団体の金銀銅のメダリストは、3メダル×4人=12人ということにします。(実際には、各チームの登録選手は6人まで認められているので、メダリストの合計は、3メダル×max6人=max18人となりますが、ここでは決勝戦と第3位決定戦で、実際に滑った選手の使っていたスキー板のみを対象としています。)
以上、従来のアルペン種目のメダリスト30人と、混合団体のメダリスト12人を合わせると、アルペン競技の全オリンピック・メダリストは、合計42人(累計)ということになります。
2018年ピョンチャンオリンピック・アルペンスキー競技
平昌冬季オリンピックのアルペン競技で、一番メダリストの使用率が高かったスキー板は、HEAD(ヘッド)で、メダリスト42人中 18人が使用し、使用率は 42.9%でした。
特に、「男子滑降」と「男子スーパー大回転」では、金銀銅と表彰台をHEADが独占しています!
2番目に多かったスキーはROSSIGNOL(ロシニョール)で、メダリスト42人中12人、使用率は 28.6%。
3番目はATOMIC(アトミック)で、メダリスト42人中9人、使用率は 21.4%。
この、HEAD、ROSSIGNOL、ATMIC の3つのメーカーで、全体の93%を占めています。
これ以外では、SALOMON(サロモン)、Volkl(フォルクル)、FISCHER(フィッシャー)が、それぞれ1人ずついたのみです。

18/42=42.9% HEAD(ヘッド、米国→オランダ)
12/42=28.6% ROSSIGNOL(ロシニョール、フランス)
9/42=21.4% ATOMIC(アトミック、オーストリア)
1/42= 2.4% SALOMON(サロモン、フランス)
1/33= 2.4% Volkl(フォルクル、ドイツ)
1/33= 2.4% FISCHER(フィッシャー、オーストリア)
なんとなくですが、意外と私個人のイメージとは異なり、高速滑降系でHEADが成績を残し、小回り系でROSSIGNOLが成績を残している感じがします・・・。何故でしょう?

たまたま見たテレビの解説者によると、平昌(ピョンチャン)のスキー競技会場の雪質は、低温の乾いた人工雪で、エッジが食い込みやすい北欧の雪質と似ていて、北欧勢の活躍が目立ったという話しでした。そのことと、何か関係があるのでしょうか?
【男子 滑降】
金 HEAD アクセルルント・スビンダル(ノルウェー)
銀 HEAD チェーティル・ヤンスルード(ノルウェー)
銅 HEAD ベアト・フォイツ(スイス)
【男子 回転】
金 HEAD アンドレ・ミレル(スウェーデン)
銀 ROSSIGNOL ラモン・ツェンホイゼン(スイス)
銅 ROSSIGNOL ミヒャエル・マット(オーストリア)
【男子 大回転】
金 ATOMIC マルセル・ヒルシャー(オーストリア)
銀 ROSSIGNOL ヘンリク・クリストフェシェン(ノルウェー)
銅 HEAD アレクシ・パンテュロー(フランス)
【男子 スーパー大回転】
金 HEAD マティアス・マイヤー(オーストリア)
銀 HEAD ベアト・フォイツ(スイス)
銅 HEAD チェーティル・ヤンスルード(ノルウェー)
【男子 アルペン複合】
金 ATOMIC マルセル・ヒルシャー(オーストリア)
銀 HEAD アレクシ・パンテュロー(フランス)
銅 SALOMON ビクトル・ムファジャンデ(フランス)
【女子 滑降】
金 ATOMIC ソフィア・ゴッジャ(イタリア)
銀 HEAD ラグンヒル・モビンケル(ノルウェー)
銅 HEAD リンゼイ・ボン(米国)
【女子 回転】
金 ROSSIGNOL フリダ・ハンスドター(スウェーデン)
銀 HEAD ウェンディ・ホルデナー(スイス)
銅 ATOMIC カタリナ・ガルフーバー(オーストリア)
【女子 大回転】
金 ATOMIC ミカエラ・シフリン(米国)
銀 HEAD ラグンヒル・モビンケル(ノルウェー)
銅 ROSSIGNOL フェデリカ・ブリニョネ(イタリア)
【女子 スーパー大回転】
金 ATOMIC エステル・レデツカ(チェコ)
銀 HEAD アナ・ファイト(オーストリア)
銅 HEAD ティナ・ワイラター(リヒテンシュタイン)
【女子 アルペン複合】
(最終順位)
金 ROSSIGNOL ミシェル・ギザン(スイス)
銀 ATOMIC ミカエラ・シフリン(米国)
銅 HEAD ウェンディ・ホルデナー(スイス)
【混合団体】
金 スイス (HEAD、ROSSIGNOL、HEAD、FISCHER)
銀 オーストリア(ROSSIGNOL、ROSSIGNOL、ATOMIC、ATOMIC)
銅 ノルウェー (ROSSIGNOL、Volkl、ROSSIGNOL、ROSSIGNOL)



なお、ちなみに、男子アルペン複合の、前半滑降と後半回転のそれぞれの上位選手が使用していたスキー板は、以下の通りです。
【男子 アルペン複合】
(滑降)
1位 ROSSIGNOL トーマス・ドレッセン(ドイツ、最終9位)
2位 HEAD アクセルルント・スビンダル(ノルウェー、最終棄権)
3位 HEAD マティアス・マイヤー(オーストリア、最終途中棄権)
(回転)
1位 ATOMIC マルセル・ヒルシャー(オーストリア、最終1位)
2位 SALOMON ビクトル・ムファジャンデ(フランス、最終3位)
3位 HEAD アレクシ・パンテュロー(フランス、最終2位)

フリースタイル競技はこちら
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