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野沢菜という品種のアブラナ科の野菜の葉(=お菜っ葉)を、塩や醤油などで漬けた漬け物で、正確には「野沢菜漬け」。
長野県内でも、特にお婆ちゃんがいる北信地域の家では、12月に入るとそれぞれの家庭で野沢菜を漬け込みます。
自宅の畑で野沢菜を育てる家もあれば、野沢温泉村や山ノ内町などの産地に出かけ買ってきたり、スーパーやホームセンターなどで売り出される野沢菜を購入して漬ける家庭も多いです。
冬の間中、三度の食事はもちろん、10時と3時のお茶請けにも、長野県では野沢菜が欠かせません

ところが、この野沢菜、漬け物なので塩分量がハンパありません・・・

美味しいので、つい食べ過ぎてしまい、塩分を取り過ぎてしまうことが大問題

シニアの年齢になり、血圧が高くなってきた今日この頃、塩分の取り過ぎがとても気になってしまいます。。。
そこで注目が集まっているのが、もう一つの長野県を代表する漬け物、「すんき漬け」です。
長野県全土ではなく、木曽地域周辺で昔から作られ食べられてきた漬け物ですが、なんと塩を使っていません

木曽や開田で栽培されていた伝統地野菜の赤カブの、カブ部分を食して余った葉が勿体ないと、その葉を漬け物にして冬の保存食として食べようとした先人が、当時は貴重だった塩を使わず、乳酸菌発酵させて日持ちさせる技法を生み出しました

木曽商工会によると、すんきにはヨーグルトに匹敵する乳酸菌が含まれていて、アレルギー症状の緩和や、感染症の予防に強力な機能性を発揮する乳酸菌も生息しているとか

塩分の摂取が控えられるだけでなく、コロナ禍にあっても感染予防に役立つとは、高齢者には願ったり叶ったりの食材です

そこで今年は、「すんき漬け」にチャレンジ

しかし、北信の当地には、木曽方面の地野菜である赤かぶを育てている家はありません。
そこで木曽の赤蕪の代用に思いついたのが、野沢菜。
野沢菜の根っこも、大きな赤い蕪になります。
ただ、野沢菜は葉だけを使って、蕪を食べるという話は聞いたことがありませんが、同じアブラナ科の野菜で、赤い蕪が出来るとなれば、そう遠くない親類であることは、間違い無いでしょう

残る問題は、すんきを漬けるには、「すんきの種」が必要なこと。
産地では、前年のすんきを乾燥保存したり冷凍保存しておいて、翌年漬ける種にするそうですが、北信地域ですんき漬けを作っている人はまずいないので、隣近所から貰うことも出来ません・・・

そこで私が、「種」に使うことにしたのは、スーパーで売っていた「すんき漬け」。
ところが、これが種に使うには高価な代物で、たった180gしか入っていなくて、500円もします

種の量は、漬ける量の2〜3割必要らしいので、180gの商品すんきを種にしたのでは、せいぜい1kg弱の野沢菜すんきしか作れません

でも、すんき漬けの発酵過程はたった1日間で、2-3日もすれば美味しく漬かるというのですから、数日おきに3倍、また3倍と漬け増ししていけば、鼠算的に増量させることが、可能ではないでしょうか


思い立ったが吉日、さっそく近所のスーパーで「すんき」を買ってきて、野沢菜ですんき漬け作りにチャレンジです

揃える材料は、
@スーパーで買ってきた「すんき漬け」(180g入りで500円くらい)
A自家栽培の野沢菜(最初の一回目は、たった2〜3株ほど)
B厚手のビニール袋(タテ×ヨコが500×400cmくらい)
C発泡スチロールの箱
D新聞紙

すんき漬けの作り方(レシピ)

葉っぱだけだと、発酵に必要な糖分が足りないらしく、葉の付け根に残った株の部分も少し短冊切りにして加えます。量は、適当・・・。多すぎると、味が濁るらしいです。


沸騰させたお湯を使えというレシピと、65度以下のお湯に浸けろという人がいて、どっちが定かなのか分かりませんが、要はあまり長い時間熱いお湯に漬けるなということの様です。いずれにしても、葉をさっとお湯に潜らせたら、すぐにザルに上げて、60度以下まで冷まします。湯に潜らせることで、発酵に必要な温度を確保し、漬かりやすい様に適度に野菜の細胞を壊す役割があるとか。。。


量が多ければ、葉と種とを交互に積み重ねていくのですが、1キロや2キロ未満の葉っぱの量だと、ビニール袋に入れてから袋を揺すれば、十分両者を馴染ませることが出来ます!。


発酵が進むとガスが出るので、ビニール袋の口はきつく縛ったりせず、紐で縛って適度にガスが抜けやすくするための様です。

しかしこの冬の時期、24時間ずっと暖かい部屋なんて無いので、日中は布団に包んで日向に置くとか、コタツに入れるとか?。ただし、ちゃんと発酵が進めば、漬け物自体が熱を持つので、布団に包むだけでも良いらしいのですが、なんせ初めてのことなので、夜は布団に入れて抱いて寝てみたのですが、発泡スチロールの箱からすっぱい様な発酵臭が漂い、あまり寝つけません・・・(汗)。



翌日から食べることは出来ますが、あとは涼しい場所に移して、2-3日置いて味をなじませてから食べた方が、美味しいらしいとのこと。
基本的には冬の寒い間に食べきる必要がある漬け物ですが、上手に漬ければ、一年中持つとか・・・。まぁ、素人にはムリでしょうから、味が落ち着いたところで、来年の種にするため、必要な分量を冷凍しましょう

あとは、この作業を数日おきに繰り返せば、最初はたった180gの種でも、3倍、3倍、3倍と続けることで、数十キロのすんき漬けが作れるという、『取らぬ狸の皮算用』???(笑)
浸かった(出来た)すんきは、そのまま漬け物の代わりに食べてもいいですが、塩気が足りなければ、みそ汁や、そばやうどんの汁に入れたり、炒め物の具材に足したり、後はあなたの工夫次第!。
まぁ、すんき蕎麦で頂くのが、一番美味しいかな?(笑)。
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